シェイクスピアの名台詞〜Memorable Speeches from Shakespeare〜

シルヴィアス:恋は、ため息と涙でできているもの。それが僕のフィービーへの想い。
(PHEBE. Good shepherd, tell this youth what 'tis to love.)
SILVIUS. It is to be all made of sighs and tears;
And so am I for Phebe.
作品解説
『お気に召すまま』


オーランドが、もう、恋のゲームはやめたいと言い出したので、ロザリンドは魔法でみんなの想いをかなえてあげると言います。その後、フィービーの「この若者に恋がどんなものか教えてあげて。」という台詞をきっかけに恋する者たちが、上に挙げたシルヴィアスを先頭に、フィービー、オーランド、ロザリンドとそれぞれの想いを訴えます。

PHEBE. And I for Ganymede.
ORLANDO. And I for Rosalind.
ROSALIND. And I for no woman.
(フィービー:それが私のギャニミードへの想い。 オーランド:それが僕のロザリンドへの想い。ロザリンド:女なんか想うもんか。)

この台詞は、美しい四重唱としてく響きます。すれ違いの恋をめぐるこの四重唱は、それ自体としては哀しい歌ですが、響きの高まりのなかで幸福な結末が近いことを観客に伝えます。シルヴィアスはさらにつづけて

SILVIUS. It is to be all made of fantasy,
All made of passion, and all made of wishes;
All adoration, duty, and observance,
All humbleness, all patience, and impatience,
All purity, all trial, all obedience;
And so am I for Phebe.
(恋、それは夢見ること、燃え上がること、せつなく願うこと。敬愛、従順、崇拝、純潔、試練、忠実−−これらすべてがフィービーのために僕が捧げるもの。)

と、自分の恋の想いを歌い上げます。


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