ブルータスは特別なリズムのない散文で語りますが、声に出して読んでみると分かるように、彼のことばには、まるで詩に特有な心地良いリズムがあります。このリズムが群衆(そして、観客を)を説得します。ゆっくりと耳を傾けてみてください。
BRUTUS. If then that friend demand why Brutus rose against Caesar, this is my answer: Not that I loved Caesar less, but that I loved Rome more. . . . As Caesar loved me, I weep for him; as he was fortunate, I rejoice at it; as he was valiant, I honour him; but as he was ambitious, I slew him.
(友人から、なぜブルータスはシーザーに刃向かったのか、と問われれば、こう答えよう。シーザーを愛さなかったわけではない、シーザーよりローマを愛したのだ、と。シーザーは私を大事にしてくれた、だから、私は彼のために泣く。シーザーは運に恵まれていた、だから、私は彼のために喜ぶ。シーザーは勇敢だった、だから、私は彼を敬う。しかし、シーザーは野心を抱いた、だから、私は彼を殺した。)
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