シェイクスピアの名台詞〜Memorable Speeches from Shakespeare〜

哀れな阿呆が絞め殺されてしまった。
And my poor fool is hanged!
作品解説
『リア王』5幕3場


『リア王』最後の場で、コーディリアはエドモンドの命を受けた刺客に殺されてしまう。今際の際、半分錯乱状態の中でリア王は末娘を「哀れな阿呆」と呼んで、その死を嘆く。この台詞から、コーディリアと道化は一人二役だったのではないかと推測する学者もいる。現代の感覚では性的ギャップのせいで受け入れがたいが、当時女役は少年俳優が演じていたから舞台技術的にはコーディリアと道化はさほど隔たった存在ではない。しかも、二人が同時に登場する場面がないことや、後半部で道化が突然姿を見せなくなると、コーディリアが登場するという少し不自然な出入りも、この説を補強する根拠となっている。


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